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朝比奈研究室

研究内容

私たちの研究室では、患者さまへの肉体的・経済的負担が小く、理想的な形態・機能を有する歯槽骨・顎骨再生法の開発をめざして、トランスレーショナル・リサーチを進めています。

骨形成たんぱく質(BMP)を用いた顎骨再生研究

骨形成たんぱく質(BMP)は生物の発生・分化に深く関わっているたんぱく質ですが、その重要な性質の一つに、その名が示すとおり骨誘導作用があります。私たちはBMPのもつ強力な骨誘導能を応用して、歯槽骨・顎骨の再生法の開発を目指しています。BMPはラットなどの齧歯目動物あるいはより高等な霊長類でも若い個体であればBMPを担体と共に移植することで骨組織の再生が可能ですが (Marukawa. et al. Int. J Oral Maxillofac Surg. 2002)、高齢な霊長類では十分な骨誘導作用が見られません。しかしBMPに反応する細胞と共に移植することによって顎骨の再生が可能です。 (Seto et al. Plast Reconst Surg. 2007)。また少量のBMPでも十分な骨誘導作用を発揮するための担体の開発も行っています。 (Imuranul. et al. Biomaterials. 2002)

BMPで再生された若いアカゲザルの顎骨にインプラントを埋入し咬合機能を回復している
BMPで再生された若いアカゲザルの顎骨にインプラントを埋入し咬合機能を回復している

高齢ニホンザルの顎骨を骨髄由来培養細胞とBMPの混合移植で再生した
高齢ニホンザルの顎骨を骨髄由来培養細胞とBMPの混合移植で再生した

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組織幹細胞を用いた骨組織再生研究

Tissue Engineeringによる組織の再生には、細胞、基質、調節因子の3つが重要な役割を果たしてます。このうち再生療法に用いられる細胞としての組織幹細胞として骨髄由来の間葉系幹細胞が期待されていますが、私たちはより採取の容易な、骨膜、歯髄、歯根膜、あるいは脂肪組織から幹細胞を採取し、骨組織の再生のために有用な方法の開発を進めています。 (Agata, et al. J Dent Res. 2008)。

組織幹細胞:骨髄、骨膜、歯髄、歯根膜、脂肪
組織幹細胞:骨髄、骨膜、歯髄、歯根膜、脂肪

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骨髄由来間葉系幹細胞を用いた歯槽骨再生の臨床研究

私たちのように臨床の現場に携わりながら研究を進めるものにとって、臨床に直結する研究、すなわちトランスレーショナル・リサーチの推進が大きな使命であると考えています。そこで倫理委員会の承認を得た後に歯槽骨再生の臨床研究を行いました。すなわち骨髄由来の間葉系幹細胞、細胞の足場としてβTCP顆粒、調節因子として多血小板血漿(PRP)を用いて培養骨を作製し、これを移植することによって萎縮した歯槽骨の再生を行いインプラント治療につなげています。またこのような臨床研究を進めることで、実際の臨床の場に則した問題点も分かってきました。

Class 100のクリーンルームで細胞の調整を行う(東京大学医科学研究所細胞工学室)
Class 100のクリーンルームで細胞の調整を行う
(東京大学医科学研究所細胞工学室)

骨芽細胞への分化誘導を行った培養骨髄細胞、βTCP顆粒とPRPを移植して歯槽骨の再生を図る
骨芽細胞への分化誘導を行った培養骨髄細胞、
βTCP顆粒とPRPを移植して歯槽骨の再生を図る

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成長因子を用いた歯槽骨・顎骨再生の臨床研究

先の臨床研究から骨髄由来の細胞を用いることの安全性と有効性の確認ができましたが、細胞の増殖・分化能に個体差が大きく、また培養操作には多大の労力と費用がかかることが分かりました。そこで培養細胞を用いず成長因子を積極的に用いた臨床研究を開始しました。成長因子としてはすでに臨床応用の実績があり骨芽細胞の増殖を促進する作用のある線維芽細胞成長因子(bFGF)を、酸性ゼラチンを担体として用います。歯槽骨欠損には代用骨とbFGFを、顎骨欠損に粉砕した骨髄海綿骨(PCBM)に代用骨とbFGFを添加して骨組織再生の検討を進めています。

区域切除された顎骨をチタンメッシュトレーに人工骨とbFGFを添加したPCBMを移植し顎骨の再生を図る
区域切除された顎骨をチタンメッシュトレーに人工骨と
bFGFを添加したPCBMを移植し顎骨の再生を図る

組織工学的手法によって再生された下顎骨
組織工学的手法によって再生された下顎骨

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